なんのためにもならない話

タイトル通りです。

ネパールを旅して。仏教四大聖地を行く

仏教では、お釈迦様にまつわる4つの聖地があります。

それぞれお釈迦様の仏生(誕生)、成道(悟り)、最初の説法、涅槃の地を、四大聖地と呼びます。

 

曹洞宗では食事の際、はじめにお釈迦様の偉業を讃え、食器を準備する際に

仏生迦毘羅(カピラバストゥ)

成道摩掲陀(マガダ国)

説法波羅奈(ハラナ国)

入滅拘縮羅(クシナガラ)

と、お唱えします。

これは先に述べた四つの偉業とその地名です。

 

このうち、成道、説法、入滅はそれぞれインドにありますが、誕生された地カピラバストゥの”ルンビニ”だけはネパールにあります。インド国境のほど近くにあるこの街は、ネパールとはいえ、首都カトマンズからはだいぶ離れております。

 

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今回からは、そんなネパールを旅したことを記そうと思います。

 

ルンビニというと、このブログをご覧の方の中にはタイの首都バンコクある、ルンビニ公園を思う人もおられるかもしれません。

これはタイという国が仏教の影響を強く受けていて、お釈迦様生誕の地から冠したものです。

 

 

 

 では、そのルンビニのあるネパールとはどんな国なのでしょうか。

 

 

 

 私は僧侶の友人と飛行機を乗り継ぎ、ネパールを目指しました。飛行機が着陸に向け高度を下げると、窓の外には世界の屋根ヒマラヤ山脈が見えてきます。下の方には建物が見えてきます。赤いレンガを積んでできた建物が多く、街並みは夕陽に照らされより赤く映し出されておりました。

 

首都カトマンズにある空港トリブバン国際空港に降り立つと、街灯が暗く、少し埃っぽいことを感じます。

 

空港到着時に申請するアライバルビザを発券機にて取得し、入国します。

 

目指したのは、タミル地区です。タミル地区には多くの旅行者が集い、宿やレストランが密集しております。かつて多くのヒッピーと呼ばれる人たちが多くいたこの地区には、ビートルズが宿泊した宿もあります。

 

私たちが宿泊したのはその中の一つの安宿で、ホテル内にバーがあり、大音量の音楽が夜遅い時間まで鳴り響いておりました。重低音と共に私たちの部屋の窓が振動で揺れ、さすがにその音量には困り早速にカトマンズの洗礼を受けました。

 

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早朝のタミル地区

翌朝にカトマンズで最古の仏教寺院スワヤンブナートを訪れました。

ここは猿が境内に多くいる寺院で、参道となる階段を登った先に寺院があります。

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スワヤンブナートの参道

ここネパールでは、多くの国民がヒンドゥー教徒で、仏教徒自体はチベット系の人たちを中心に、その数自体は多くありません。

しかし、ヒンドゥー教におけるお釈迦様というのは、ヒンドゥー教における1人の聖者とされているため、仏教徒に限らずスワヤンブナートには参詣者が訪れておりました。

 

また、山道には多くの猿がおり、供物や参詣者の持つ果物を狙っております。ハヌマーンと呼ばれる猿の神様がいることから、そうした猿に危害を加える人もありません。

 

これは、ヒンドゥーの文化圏に言えることですが、動物が神様の使いであったり、神様その者であるため人間が手を加えることがなく、そのために人間と動物との距離が非常に近いことが言えます。

 

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階段の先に見えるスワヤンブナート


 

参道を登った先にはブッダの目が入った仏塔があり、周りにはマニ車という中に経が治められた筒(その筒を回すと経を唱えたのと同じとするもの)があり、、日本でお参りする寺院とは全く異なる景色が広がっております。

 

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マニ車


異国情緒。

 

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朝日のスワヤンブナート。手前の影は猿。

朝日が昇るにつれ街並みがはっきりしてきました。しかし、日中は粉塵や埃ではっきり見えないとか。